
今回は、キャバクラと蕎麦屋を徹底比較します。
蕎麦屋とキャバクラ。普通に考えれば、まったく関係がなさそうな二つです。けれど、少し角度を変えて見ると、意外な共通点があります。どちらも、一度来てもらって終わりではなく、また行きたいと思われることで続いていく商売です。キャバクラは会話や表情、席で過ごす時間の印象でお客さんに戻ってきてもらいます。蕎麦屋は蕎麦の香り、つゆ、食べ終わった後の満足感でまた来てもらいます。今回は、キャバクラと蕎麦屋という普通なら並べない二つを比較しながら、接客、売上、常連客、通われるお店の考え方をわかりやすく整理していきます。
キャバクラも蕎麦屋も、最初の一回来店で印象が決まる
キャバクラと蕎麦屋は、売っているものがまったく違います。キャバクラは人との会話や席で過ごす時間、蕎麦屋は一杯の蕎麦が中心になります。けれど、最初の一回来店で印象が決まる点はよく似ています。
初めて入るキャバクラでは、入口の明るさ、スタッフの案内、席に着くまでの流れ、席につく人の表情、最初の一言が見られます。働く側から見れば、会話が始まる前から店の印象は作られています。
一方で蕎麦屋は、店構え、席への案内、水の出方、店員の声、蕎麦が出てくるまでの時間で印象が決まります。まだ蕎麦を食べる前から、また来てもいいかどうかはある程度決まっています。
キャバクラも蕎麦屋も、商品そのものに入る前の数分が大事です。キャバクラなら会話が始まる前、蕎麦屋なら蕎麦を食べる前に、次につながる印象ができています。
H2 キャバクラは会話で再来店をつくり、蕎麦屋は味で再来店をつくる
キャバクラと蕎麦屋では、もう一度行きたいと思われる理由が違います。キャバクラでは、席での会話、表情、話しやすさ、過ごした時間の印象が残ります。蕎麦屋では、蕎麦の香り、つゆ、のどごし、食べ終わった後の満足感が残ります。
キャバクラでは、ただ会話が続けばいいわけではありません。話していて気分が明るくなる、前回の内容を自然に覚えている、無理なく会話がつながる。そうした小さな記憶が、もう一度行こうという理由になります。
蕎麦屋の場合は、またあの蕎麦を食べたいという気持ちが再来店につながります。香りのある蕎麦、濃すぎないつゆ、天ぷらの揚がり方、食べ終わった後の軽さ。言葉にしにくい満足感が、次の来店理由になります。
キャバクラは人の印象が残り、蕎麦屋は味の記憶が残ります。売っているものは違っても、また行きたいと思われる理由を作る点では同じです。キャバクラで働くうえで大事なのは、ただ会話を続けることではなく、自然に記憶に残る接し方です。
H2 キャバクラは人が前に出る商売、蕎麦屋は一杯の蕎麦が前に出る商売
キャバクラと蕎麦屋では、店の印象を決める中心が違います。キャバクラでは、働く人の表情、話し方、服装、座り方、返事の速さが印象になります。蕎麦屋では、蕎麦の香り、太さ、つゆ、器、天ぷら、出てくる早さが印象になります。
キャバクラでは、人の印象が店の印象につながります。同じ店でも、席につく人によって過ごし方は変わります。話しやすい人、返事が自然な人、無理に距離を詰めずに会話できる人がいると、その店にもう一度行く理由になりやすいです。
蕎麦屋の場合は、一杯の蕎麦が店の印象になります。店員の感じが良くても、蕎麦が好みに合わなければ次につながりにくいです。逆に、蕎麦が好みに合えば、店の名前を覚えてもらいやすくなります。
キャバクラは人に印象がつき、蕎麦屋は蕎麦に印象がつきます。キャバクラで働くうえでは、会話の内容だけでなく、席にいるときの表情や返事まで、店の印象の一部として見られています。
H2 キャバクラは長く座ってもらう商売、蕎麦屋は気持ちよく帰ってもらう商売
キャバクラと蕎麦屋では、店の中で使われる時間の意味が違います。キャバクラは、席で過ごす時間が長くなるほど売上につながりやすい商売です。蕎麦屋は、注文して、食べて、会計まで気持ちよく進むことが大事になります。
キャバクラでは、もう少し話したい、もう一杯飲んでいこう、今日はこのまま座っていたいと思われることが来店後の満足につながります。会話が止まりすぎず、急かされず、退屈にもならない時間があると、席で過ごす理由ができます。
蕎麦屋では、長く座ることより、食べたいときに出てきて、食べ終わった後に気持ちよく店を出られることが喜ばれます。昼休みや移動中に入る人もいるため、待ち時間が長すぎると、どれだけ味が良くても次に入りにくくなります。
キャバクラは時間を伸ばすことで満足につながり、蕎麦屋は時間を無駄にしないことで満足につながります。同じ接客でも、長くいてもらう商売と、気持ちよく帰ってもらう商売では、見られる動きが変わります。
H2 キャバクラの常連客と蕎麦屋の常連客は、意外と似ている
キャバクラの常連客と蕎麦屋の常連客は、まったく違うように見えて、通い続ける理由には似た部分があります。どちらも、毎回新しい驚きを求めているわけではありません。前に来たときと近い心地よさがあるから、また足を運びます。
キャバクラでは、顔を覚えてもらえること、前回話した内容が少し残っていること、好きな飲み方をわかってもらえることが、次の来店理由になります。特別なことをされたいというより、前にも来た人として自然に扱われることが、通いやすさにつながります。
蕎麦屋の常連客も同じです。いつもの席に座れる、いつもの注文が通じる、前と同じ味が出てくる。店員の短い一言や、変わらない蕎麦の味に、また来ようと思う理由ができます。
常連客は、派手な変化よりも、自分のことを覚えてもらえている感覚に戻ってきます。キャバクラは会話や飲み方でそれを作り、蕎麦屋は味と注文の流れでそれを作ります。違う商売に見えても、通う人が求めている心地よさはかなり近いです。
H2 キャバクラは指名で売上が伸び、蕎麦屋は看板メニューで売上が伸びる
キャバクラと蕎麦屋では、売上の伸び方が違います。キャバクラでは、誰に会いに行くかが売上に関わります。蕎麦屋では、何を食べに行くかが売上に関わります。
キャバクラの場合、指名、同伴、ボトルなどは、働く人への印象から生まれます。また会いたいと思われる人がいると、店に行く理由ができます。同じ店でも、会いたい人がいるかどうかで来店のきっかけは変わります。
蕎麦屋の場合は、看板になる蕎麦や天ぷら、季節の一品が来店理由になります。あの蕎麦を食べたい、あの天せいろが好き、あのつゆが合う。そう思われるものがあると、店名ごと覚えてもらいやすくなります。
キャバクラは人に売上がつきやすく、蕎麦屋はメニューに売上がつきやすい商売です。どちらも、また行く理由がはっきりしている店ほど選ばれやすくなります。
H2 キャバクラは人の入れ替わりが早く、蕎麦屋は味の安定が見られる
キャバクラと蕎麦屋では、続けるうえで見られる部分が違います。キャバクラは、働く人の入れ替わりが店の印象に出やすい商売です。蕎麦屋は、味の変化が店の印象に出やすい商売です。
キャバクラでは、会いたい人が辞めると、来店の理由が弱くなることがあります。逆に、新しい人が入ることで、店の見え方が変わり、別の人が通うきっかけになることもあります。人が変わることで、店への印象も変わります。
蕎麦屋では、店主や従業員が変わっても、味が大きく変わらなければ通い続ける人がいます。ただし、蕎麦の香り、ゆで加減、つゆの味が前と違うと、何度も来ている人ほどすぐに気づきます。
キャバクラは人の変化を見られ、蕎麦屋は味の変化を見られます。どちらも、通う人は以前との違いをよく覚えています。
H2 キャバクラも蕎麦屋も、結局はまた来たいと思われるかで決まる
キャバクラと蕎麦屋は、見た目も働く人も営業時間も違います。キャバクラは人との会話や席で過ごす時間が中心になり、蕎麦屋は一杯の蕎麦を食べることが目的になります。
それでも、商売として見ると、最後に残る答えは同じです。また来たいと思われるかどうかです。
キャバクラでは、またあの人と話したい、前回の続きを話したい、あの店で飲みたいという気持ちが次の来店につながります。蕎麦屋では、またあの蕎麦を食べたい、同じ味をもう一度味わいたい、短い時間で満足して帰りたいという気持ちが次の来店につながります。
比べる対象としては、かなり変わった組み合わせです。けれど、キャバクラと蕎麦屋を並べると、商売の見方が少し変わります。会話が中心でも、蕎麦が中心でも、通われる理由がなければ続きません。
仕事のできる20代女性ほど、こうした違いと共通点を見るのが早いです。表面だけを見るのではなく、なぜ人が戻ってくるのかを考えられると、キャバクラの見え方も、身近な飲食店の見え方も変わってきます。